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医学部の小論文試験対策の口コミ
小論文は、学力だけではない「医師としての適性」を見極めるために実施されている試験といえます。
各大学ばらつきはあるものの、面接と同様、あるいはそれ以上の配点がなされています。医学部受験が他学部と大きく異なる点は、大学進学がそのまま医師や研究者といった職業に結びつく点です。
医師という職業は、強い責任感と倫理性を必要とされるため、受験生の人間性や資質、思考を見る手段として小論文が課されていると考えられます。
ここでは小論文の対策のポイントや取り組み方についてアドバイスしていきます。
医学部小論文を知る
医学部小論文の形式
医学部の小論文は、大学によって違いはあるものの、たいていの場合は、以下のような形式を設けています。
<文字数>
600~800文字
<時間>
60~90分
<論述形式>
論述形式は大きく分けて「課題文型」と「テーマ型」の2つのパターンに分けられます。
課題文型:課題文(書籍や新聞記事からの抜粋文)を読み、それについて意見を述べる形式
テーマ型:設定されたテーマについて、もしくはテーマを読み、意見を述べる形式
医学部の小論文を解くには、「論述力(表現力・文章構成力)」「医学の背景知識」が必要といえます。
医学部小論文のテーマと評価基準
医学部小論文でよく扱われるテーマは、「医療関係」+「一般常識」と言えるでしょう。具体的には、生活習慣病やホスピス、少子高齢化、医療倫理などです。
小論文の評価基準としては、第一に、「医師としての適性」があります。これは上記の内容でも言及したように、小論文は受験生の人間性や資質、思考を評価されているため、そこで著しく問題のある考え方などが見受けられると大きく減点される可能性があります。第二に、実体験などに基づいた「独自性」です。他人とは異なる観点やその人の特殊な経験などが評価される傾向にあるようです。その他の評価項目としては、「論理的な思考力」や「文を組み立てる論理力・展開力」「基本的な文章力」などが挙げられます。
また「医者としての適性」を最も重視して見られるということは、最低限知っていなければならない医学の知識や、医師になる情熱があるかどうかなども評価されるので、医学の背景知識は必須と考えてよいでしょう。
医学知識を用いて、意見をどれだけ具体的に論理性・客観性を持って説明できるかが合格の明暗を分けるポイントです。
医学部受験に合わせた小論文対策ポイント
多くの医学部受験者にとって、小論文に苦手意識を持っていたり、合格の鬼門であると考えている人も少なくないでしょう。小論文対策はなるべく早い段階から継続的に行う必要があります。小手先で通用するほど、医学部の小論文は甘くありません。
ここでは、小論文の対策の取り組み方のポイントを項目別に紹介していきます。小論文対策をどのように進めればよいのかわからない受験生や、いま行っている対策方法に疑問を抱いている受験生必見です!
医学部小論文を解くために必要なスキル
医学部小論文を解くために必要なスキルは、主に「論述力(表現力・文章構成力)」「医学の背景知識」の2点です。つまり、医学部の小論文を書くには、医学の背景知識を身に付けた上で相手を納得させられるだけの文章力と構成力が必要ということです。論述力だけあっても医学の背景知識がないと自信を持って論述できません。医学の背景知識だけあっても、表現力・文章構成力がないと判断されたら合格点をとることはできません。対策をする際は、論述力と医学の背景知識の2つの観点から対策を進めるとよいでしょう。
Ⅰ. 医学・医療の知識を得るための対策
●新聞記事から知識を得る
新聞では、医療関連のニュースが固まって掲載されていること多いです。最低でもその新聞の医療面は最低目を通し、最新のトピックを仕入れておきましょう。また、特に議論や是非が取りざたされているものに関しては自分なりに考察をし、まとめる習慣をつけ理解を深めておきましょう。
●年の前半(4月~9月のニュース)に注目する
4月~9月のニュースは、試験に出る可能性があるにもかかわらず、問題集テキストの収録に間に合わないことがあります。意識的にその時期のニュースに注目して、独自に対策を進めることが必要です。
●問題集・参考書は必須
小論文に関しては、問題量ではなく質を重視して対策しようと考えている人も少なくないと思います。しかし、問題集の模範解答例を読み込み、論述の進め方の模範を知ることで、自分の書き方にも生かすことが出ます。また、テーマ別の用語集は小論文対策にとても有効です。普段から定期的に様々な分野の医療用語にふれることで、幅広いテーマに対応するための知識を効率よくおさえることができます。
Ⅱ. 文章表現力・構成力の向上
論述力の向上は一朝一夕では養えません。日頃の練習が物を言うため、以下の基本的な論述展開を身につけましょう。<基本的な論述展開>
導入 → 展開 → 独自性(体験・論拠) → 結論
論拠となる独自性が最も重要なポイントです。
いくら綺麗に筋が通っていても、「一般的な論述の焼き直し」「他者の意見の丸写し」と捉えられたら、合格点は得られません。ただ単に奇をてらった解答をすれば良いかと言えば、そうでもありません。 その意見を述べるに至った「思考の過程」を、「受験生本人の言葉」で「客観的」「論理的」に述べられていることが重要なのです。たとえ一般的な説と同じであっても、その結論にたどり着くまでの過程が受験生本人の体験談や思考に基づいたものであれば合格点を見込めます。
この論述体系を意識しながら独自性に富んだ小論文を書くことを心がけましょう。
医学部受験の小論文に臨むにあたって
上記の小論文対策ポイントを参考にしながら、 小論文に必要な「論述力(表現力・文章構成力)」と「医学の背景知識」を養っていってください。実践こそが小論文の力を伸ばしますので、出来るだけ多くの小論文を書くことが必要です。しかし、やみくもに量をこなせば良いというものではなく、「合格点をとるための小論文」を書くことを心がけてください。そのためには、1カ月2~3本程度の小論文を仕上げるペースが妥当と言えるでしょう。継続的に取り組むことにこそ意味があります。「1カ月2~3本書けなかったから、次の1カ月で6本書く」という短期集中型では、小論文の本当の実力はなかなか養成されにくい点にも注意しましょう。また、小論文に取り組んだ後は、必ず添削をしてください。小論文の添削ができる専門家に頼むのがベストですが、身近に添削が出来る人がいない場合は、自分で解答などを参考にして大筋の捉え方や論点が大きくずれていないかなどを確認してください。添削した結果、足りない所があれば書き直してみましょう。最初のうちは、一回で合格点がとれる小論文は誰にも書けません。2~3回書き直していくうちに論述力は伸びていきます。
小論文対策における学習ペースのポイントをまとめると、
①1本を仕上げるのに1週間半~2週間かけること
②常に、合格点がとれる小論文を意識して書きあげること
時間と手間をかけた小論文をこのペースでこなせれば、論述力は飛躍的に伸びます。合格点が取れる小論文を目指し、今から対策を始めましょう。
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