医学部再受験は不利!? 再受験の実情と合格への道

社会人・大学生だが医師になりたい、医学部に進みたいと考えているみなさまへ
このコラムでは、医学部を再受験するための方法と合格するためにはどうしたらいいかを解説します。

再受験には2つの方法がある

社会人・大学生の方が再受験をして医学部に入るには大きく分けて2つの方法があります。

一般試験を受験する

現役生や浪人生と同様の試験を受けて入学する方法です。
高校を卒業していれば誰でも受験することが出来ます。

編入試験を受験する

大学時代に取得した単位に応じて入学する方法です。
教養課程を免除されることが多く2、3年次から入学することが出来ますが、4年制大学の卒業に加え特定単位の取得やTOEICのスコアなど、一般試験より条件が細かく定められています。

編入試験の実例 一部抜粋

新潟大学(2017年度入学者選抜)
募集人員
15人(地域枠2人含む)
入学年次
第2年次
基礎資格
医学部医学科が定める授業科目(計41単位)の単位を取得したもので、次のいずれかに該当する者
  • ①修業年限4年以上の大学を卒業した者又は平成29年3月31日までに卒業見込みの者
  • ②学校教育法の規定により学士の学位を授与された者又は平成29年3月31日までに授与される見込みの者
  • ③外国において、学校教育における16年の課程を終了した者又は平成29年3月31日までに終了見込みの者
要  件
TOEICを受験していること
選抜方法
【第一次試験】自然科学系及び生命科学系、TOEICのスコア
【第二次試験】面接試験

再受験には2つの方法がある

2つの方法をご紹介しましたが、一般試験と編入試験どちらが医学部に入りやすいのでしょうか。
よく編入試験の方が難しいと言われますが、それは編入試験の下記のような特徴が影響しているようです。

編入試験の特徴

項目 特徴
条件 特定単位の取得やTOEICの受験など細かく設定されている
入学年次 教養課程が免除されるため2、3年次から入学できる
難易度 旧帝大理系学部卒など受験者のレベルが高く合格難易度が高い
倍率 定員が5人程度の大学が多く、平均すると一般試験の4倍ほど高い
対策 予備校・参考本などの情報が少なく対策が立てにくい

編入試験は2、3年次から入学できるため再受験を考えている方には魅力的ですが、定員が数人のところに百人を超える志願者が殺到し、倍率が高くなることも珍しくありません。

一般試験と編入試験倍率の実例

富山大学(2016年度入学者選抜)
一般試験
【定員】105人 【志願者】823人 【倍率】7.8倍
編入試験
【定員】5人 【志願者】153人 【倍率】31.6倍

また、受験者も旧帝大レベルの理系学部や薬学部・歯学部卒などの方が受験するため、一般試験と比較してもかなりハイレベルな戦いとなっています。

多くの再受験生は一般試験を選択

編入試験の高い倍率、ハイレベルな受験者から多くの再受験生は一般試験を受験することが多いようです。

しかし、一般試験で受験をする際に1つ気を付けておきたいことがあります。
それは、医学部の中には浪人生(再受験生含む)に不利な大学があるようだということです。

下記のグラフは、医学部全体の合格者現浪比と大学別の合格者現浪比を表したものですが、大学によって大きな差があることが分かります。

大学合格者現浪比

大学名 (合格者数) 現浪比現役浪人
医学部全体 (3712)
30.9 69.1
京都大学 (114)
70.3 29.7
現役生が多い
東京大学 (120)
69.0 31.0
慶應大学 (115)
58.2 41.8
横浜市立大学 (101)
54.3 45.7
札幌医科大学 (116)
49.1 50.9
関西医科大学 (123)
19.9 80.1
浪人生が多い
大阪医科大学 (112)
18.9 81.1
兵庫医科大学 (213)
15.9 84.1
金沢医科大学 (100)
14.3 85.7
福岡大学 (158)
10.8 89.2
  • 2015年度の入試結果データに基づき作成
  • 医学部全体の合格者数及び割合は弊社独自の調査によって合格者の現浪比が判明した23校のデータの合計

面接試験で調整か…

現役・浪人で差をつけていることはもちろん大学側は公表していませんが、ここまで大学によって違いが出ると疑ってしまうのもしょうがないでしょう。
噂の域を出ませんが、テストの成績が良くても年齢が高い受験生は面接試験の点数で調整されると医学部受験生の間では言われているようです。

どちらも決して簡単では無い

一般試験と編入試験のどちらが医学部に入りやすいかと聞かれればやはり一般試験が現実的ですが、一般試験が決して簡単だというわけではないことを肝に銘じるべきです。
近年の医学部人気の影響で年々難化していることに加えて、再受験生はブランクがある状態で現役生や浪人生と戦わなければなりません。
一般試験・編入試験のいずれを受験するとしても甘い考えは捨てて相当な覚悟を持った上で受験する必要があります。
当サイトでは、再受験生も含め多くの医学部合格者の口コミを大学別に掲載していますので受験対策の参考にして頂ければと思います。

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